
8月のオークランド大学ミュージック・スクールのための和太鼓講座&ミニコンサートをお世話してくださったデイビッドさんが、ロトルアの友人を尋ねて滞在中とのことで、またロトルア楽鼓の定例練習に来てくださいました。練習の合間にヴァイオリンとビオラの演奏を聞かせてもらって、音色に聞き入るメンバーたち。
楽鼓メンバーのクリスティンから、「即興でバイオリンと合わせられるか、やってみて」とリクエストが出ました。デイビッドさんに聞いたら、やってみようということになり……2曲弾いてもらって、私が太鼓でアドリブ・セッション。
1曲目は流れるような情緒的な曲だったのでかなり難しかったけど、2曲目に軽快なロンドの曲を選んでくださったので、リズム楽器の太鼓もちゃんと相性よくはまりました。
これまでにいろんなエスニック楽器とのセッションは経験していますが、バイオリンとは初セッション。優しい音でころがせば、太鼓とバイオリンも合うということが証明できました。
大きな音と力でバンバン打つのが和太鼓だと思っている人が多いし、そういう演奏スタイルが主流なので、和太鼓という楽器がどんなに密やかで優しい音が出せるか知っている人は少ないでしょう。
大太鼓を何台も並べてパワーで打つ太鼓演奏は、間違えば「音の暴力」にもなりがちです。残念なことに、そんな演奏を見てワ〜オ!と感動する人がどんなに多いことか。
和太鼓の持つ音の豊かさのバリエーションと柔らかさ。私は、そんな響きを伝えたいし、楽鼓メンバーにはそれがわかる和太鼓の打ち手になってほしいと思っています。デイビッドさんが偶然に私たちの演奏を聞いて、思い入れるほどに気に入ってくださったのは、そんな音作りに共感してくださったのでしょう。
ニュージーランド ロトルアのくつろぎ宿