お隣さんの羊

 「さざんか亭」の住所はターナー・ドライブの82番。ドライブウェイ(私道)の入り口は、82と82Aの共有。

 NZの住所区画では、同じ番地でAとかBとかが隣り合っている場合、元は1区画だったのを、分割した、ということを示しています。それで、普通は、AとかBがついた住所と隣り合っていると、土地が狭い、と判断する材料になります。

 でも、「さざんか亭」とお隣さんの場合、元の区画が並外れて大きかったらしく、それぞれ約5分の3エーカー(約800坪)、5分の4エーカー(約1000坪)。

 ロトルアの住宅区画の標準が4分の1エーカー(1000㎡=約300坪)。条例では、800㎡以上の広さがある土地は、分割して売っていいことになっているので、狭い区画でも400㎡(約120坪)はあることになりますが、新しく開発している分譲地では、500〜600㎡台の所も多いようです。その標準からしても、82番・82A番、市内地でこの広さは貴重!

 

 お隣さん、といっても、82Aさんは、「さざんか亭」の土地より奥で、さらに高台。土地の段差と大きな木が繁っているため、お互いに家同士は視野に入りません。

 さざんか亭裏の菜園の奥が土手になっていて、ある日、土手の上の芝刈りをしていたお隣さんが、菜園開拓している私に話しかけてきました。

「お宅の土地のボーダーが、そのフェンスじゃないって、知ってる?」

 土手の上が敷地のボーダーだと前オーナーから聞いていたので、そう答えたら、

「いや、境目はもっと上で、今ボクが芝刈りしているこのスロープの上、この後ろの木が生えている辺りだよ。」

 お隣さんが教えてくれたことによると、元は一つのだだっ広い斜面地で、ブラックベリーやマヌカ、カヌカなどのブッシュが生い茂っていたのを、切り開いたのだそうです。

 「フェンスを本来のボーダーの位置に変えてもいいよ」というお隣さんに、「いやいや、その急斜面の上までは、うちでは手入れできないので、このままでけっこうです」と、丁重に現状維持の合意。芝刈りなど管理してもらえるのだから、ありがたいことです。今のままで、私たちには十分な広さ。

 

 お隣さんには、ペットの羊が2匹います。「草が伸びる頃には、この土手の辺りに放牧(?)するので、下まで降りて行くこともあるよ」芝刈り機の代わりなんですね。

 時々現れる羊さん達。菜園にいる私やJJに気づくと、じっと見下ろしています。

 JJも、羊をこんなに間近に見るのは初めてなのに、吠えもせず、尻尾を振っています。君は世界中の生き物は全部、友達だと思っているものね。