RWC 2011 あれこれ part 7.

マオリ文化とラグビー……HAKAは勇気への敬意

 オールブラックスが試合前にやる有名な「ハカ(HAKA)」は、マオリ族のウォークライ(闘いの踊り)。自分たちの強さを示して、相手に対等に闘う勇気があるかと挑戦する儀式。それは、相手の強さや勇気への敬意も示しています。

 オールブラックスだけではなく、部族やチー毎に独自のHAKAを持っていて、学校でもクラブチームでもやるし、ラグビー以外のスポーツでもやります。

 

 ポリネシア系の民族は皆、ウォークライの慣習があるので、フィジー、サモア、トンガなども試合前にやりますね。マオリのHAKAに比べると、どれももっとアッサリしている感じです。リズム、ビート、迫力など、やっぱりオールブラックスのが一番カッコいい。ひいき目でなしに。

 

 オールブラックスは、現在2種類のHAKAを持っていて、試合によって、どちらかを使い分けています。

 HAKAのリーダーはマオリの選手が努める「掟」になっていて、チーム・キャプテンやゲーム・キャプテンとは別です。最近は、ウェプ選手がリーダーになることが多いです。小さな身体なのに、顔の表情など、すごい迫力があって、彼がHAKAをリードする時は特にワクワクします。

 HAKAは元々マオリの慣習ですが、すでにNZ全体の誇りでもあるので、マオリ以外の選手も全く区別無くやります。こんな点が、ポリネシア系先住民とヨーロッパ系移民とで混在しながら国をつくってきたNZのユニークさ。

 

 ラグビーというスポーツはイギリスでサッカーから派生して生まれ、今ではラテン系の国々やアジアや東ヨーロッパでも広がっているけど、明らかにコモンウェルス(イギリス連邦)系の国々の裾野が広いですね。

 でも、同じくコモンウェルス系で盛んな(というか、それ以外のエリアではほとんど無縁な)クリケットと比べると、ラグビーはポリネシア系民族にピッタリ合ったスポーツなんだと思います。何と言っても激突するシーンが多い。ラグビーボールを介しているけど、明らかに格闘技。

 

 マオリショーの歌や踊りは、素晴らしい歌声と軽快なステップ、ポイや槍、棒や手斧を見事な手さばきで動かす技など、見ていてとても楽しいものですが、実はそれがすべて闘いの修練から来ていることを、観光客のどれだけが気づいているでしょうか? 私は、マオリショーを見る度に、「う〜ん、この民族は男も女もウォーリアーズとして生まれ、育ち、その鍛錬をこんなに楽しそうに歌と踊りで織り込んでいくんだ!」と思ってしまいます。

 ヨーロッパのスポーツ(遊び)とマオリの闘争本能が、これ以上望みようの無い組み合わせで合体したのだから、ラグビーが「国技」になるわけですよね。